カテゴリー別アーカイブ: リトアニア共和国

「リトアニア大使夫人と共に学ぶ茶事と懐石@駒場前田邸迎賓館」高森先生よりお道具の話


3月20日(月祝)に行われたリトアニア大使夫人をお招きしての茶席で亭主を務められた高森梨津子先生より、当日のお道具についてお話をいただきました。

お道具の一つ一つに意味や歴史があり、それを知っているうえで、季節に合わせ客人に合わせチョイスするというのは、また何という奥深い高等テクニックでしょうか。
下世話な言い方をしてしまい申し訳ないですが、お茶席についての知識がほぼない私ですので、ある意味外国人目線と同じような新鮮な感動を覚えます。

ひとえにすべてはお客様を心からお迎えするという事につながっているのだなと感じます。
お茶席は、お客様をお迎えする総合芸術なのですね!
高森先生ありがとうございました。

———————————————————————————————-
掛物は、「福寿海無量(ふくじゅかいむりょう)」。
『観音経』の中にある一句です。観世音菩薩の功徳は「福を聚めた大きな海のように深く無量にある」という意味の言葉です。
Hanging scroll is written as 福寿海無量 in Japanese.
It is the phrase written in Kannon Sutra and its meaning is that the charity of Bodhisattva (Kwannon)
is like the great ocean filled with immense fortune.

ただお目出度いというだけではなく、深い意味も含めて 今日 大使夫人を迎え、皆で集まることの出来た喜びの想いをこの掛物に込めました。
It is not only superficial fortune but also, I expressed by hanging this scroll, it is a great pleasure to welcome Ambassador’s wife together with IAC members today.

「リトアニア大使夫人と共に学ぶ茶事と懐石@駒場前田邸迎賓館」
掛物「福寿海無量(ふくじゅかいむりょう)」

当日は「お彼岸」の最中でしたので、お花を「彼岸桜」にしました。染井吉野より、ひと足早く咲く桜に これから迎える春の華やかさを感じてもらいたいと思い選びました。
As today is one of equinoctial days and the pronunciation of equinoctial days is the same as the pronunciation of flower, therefore, I selected Cherry blossoms called 「彼岸桜」which blooms
earlier than cherry blossoms called 染井吉野 wishing that our guests feel the flashiness of Spring.

京都の青竹が手に入りました。「青竹」の青さは、一度きりなのでどの器よりご馳走を表せると云います。
庭に咲いた「貝母(バイモ)」という可憐な草花を添えて生けました。
I could get the fresh bamboo from Kyoto. Freshness of bamboo is only one time and does not last long, so in the tea world by using such fresh bamboo which can be used once in a life time, is the way of expressing host’s hospitality.
I placed the lovely Frittilary flower「貝母(バイモ) in the vase which was picked up from my garden.

『茶花は野にあるように かろがろ と生けよ』と利休の言葉が残っています。
茶花は、その地方の季節の旬の花を生けて、お客様を迎えます。
Our Grand Tea Master Sen Rikyu taught us that flowers should be placed as if they are still growing in the field.
Tea flower is placed in the vase considering the coordination with the season in the area to welcome the guests.

リトアニア大使夫人と共に学ぶ茶事と懐石@駒場前田邸迎賓館
彼岸桜、貝母(バイモ)を京都の青竹に入れて

お菓子は「松風(まつかぜ)」。京都の老舗菓子屋「亀屋陸奥」。このお菓子は、信長と石山本願寺の11年続いた合戦のさなかに 兵糧として考案されたという いにしえの菓子です。
Thin tea sweets are named as Pine Wind 「松風(まつかぜ)」which is manufactured by an old shop in Kyoto called Kameya-Mutsu「亀屋陸奥」. The origin of the sweets was founded as one of food supply eaten at the war-site at where Feudal Lord Nobunaga and Ishiyama Honganji Temple battled with for 11 years.

リトアニア大使夫人と共に学ぶ茶事と懐石@駒場前田邸迎賓館
和菓子「松風(まつかぜ)」

お点前の道具も「旅箪笥」という 棚を使いました。
今の時代では、まるで春の麗らかな野点を連想させますが、実はこの棚は 秀吉が小田原征伐の折、利休に命じて考案させたものなのです。
この棚に、水指や茶器、柄杓、蓋置など、お茶を点てるのに必要な道具を全て収納して 担いで運べるように工夫されています。
The tea utensil stand is called 「旅箪笥」which direct translation is the traveling cabinet.
As you see the tea utensil stand, you may imagine the scenery as if we enjoy the tea in the field. The origin of this tea utensil was founded by our Grand Tea Master Sen Rikyu by the order of Feudal Lord Hideyoshi when he accompanied Feudal Lord Hideyoshi at the time of Odawara Campaign to enjoy the tea even in the battle field. All needed tea utensils such as fresh water container, tea container, ladle, lid rest can be put and kept inside of it and carried on the shoulder to the battle field.

「リトアニア大使夫人と共に学ぶ茶事と懐石@駒場前田邸迎賓館」
奥に見えているのが旅箪笥

今の時代では 嫁入り前の習い物と思われがちな「茶道や華道」ですが、実は 室町時代に男性が命がけで培ってきた日本の美意識の集大成 ということを 少しでも伝えられたら、と思い 室礼を考えました。
Nowadays the way of tea and the way of flower are considered as the lessons for young women to become a bride but in the Muromachi period they were the compilation of Japanese aesthetic sense which had been accomplished with the desperate effort by men. Having considered those things, I arranged those tea utensils to express and inform these spirits.

こうした集まりで、「四季折々を楽しめる日本の素晴らしさ」を、体感していただけたら幸せに思います。
I am very pleased if all participants can experience the wonderfulness of enjoying the seasonal changes by themselves by attending this tea gathering.

この日はわたしも 皆様と 歴史ある建物のなかで 心豊かな時間を過ごすことが出来ました。
こうした会を是非続けて頂きたいと思います。
I, myself enjoyed the gorgeous and fruitful time with you in the historical residence where Japanese Feudal Lord lived in the old days.

私も自分の感じる「日本新発見」をブログへ書きたいと思います。良かったら覗いてください。そして、体験しにいらしてください。
I also would like to write new discovery of Japan in my Blog that I felt today. Please get in contact with my Blog and experience it by yourself.
renshin.me

ありがとうございました。
Thank you very much.

高森 梨津子
Ritsuko Takamori

英訳 小笠原寿子(translated by Hisako Ogasawara, IAC)

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」参加者の感想


リトアニア大使館のお茶会にご参加頂いた中から、お二人に当日の感想を頂きました。

——————————————————————————————————–
「大使館でお茶を」第11回 リトアニア大使館に参加させて頂きました。
リトアニアについては、バルト三国の一つ、杉原千畝さんという位の認識しかなく、また現地の話を聞いた事がなかったのですが、今回はガリナ駐日大使夫人からお国の紹介をお伺いする事ができました。個人的に日本語を習われているとの事で、スムーズな日本語でスライドを交えて色々な事をご紹介下さり、中でも印象深かった事は、リトアニアへの渡航者は三年前の年間八千人から今では二万人に増えている事、首都ヴィリニュスは歴史的建築物が多く、美しい旧市街は世界遺産に登録されていて、東欧では人気の観光地である事や、名産品の一つ、琥珀はアクセサリーを始め、化粧品や紅茶(!)の原料にもなると知り、とても驚きました。また食文化に関しては、食事には黒パンがとスープが出て、夏は冷たいビーツスープ、冬にはパンが器になったスープが一般的で、また祝いの席でのシャコティス(木の枝)というお菓子は、バウムクーヘンの起源になったとも言われているそうで、一気に未知の国への興味が広がる内容でした。
会の後半の各国のお茶とお菓子を頂く時間に、ご用意頂いたのは、キビナイ:サワークリーム入りのさっくりした生地に、ひき肉フィリングのパイ / ビーツサラダ:じゃがいもやビーツ等に、シンプルな味付けながらも、ほどよい酸味があとを引く / zagareliai (ツイスター) :口に入れるとホロホロと崩れる、ほんのり甘い揚げ菓子 / カシスワイン、ハーブティー
大使館からの温かいおもてなしと、いつも企画下さるIACの皆様に、心より感謝申し上げます。
そして今後も様々な国と「食」を通じての交流ができる機会を楽しみにしております。
(IAC会員 H.Tさん)

大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館
大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館

——————————————————————————————————–
大使館は日本の土地の上に立っていても、軽々しく立ち入ることのできない治外法権の他国です。その前を通ることは有っても、何やら敷居も高く厳しいイメージでしたが、リトアニア大使夫人の気さくな心遣いに、とても楽しく有意義な時間を過ごさせていただきました。
広間に飾られた紅葉の木や、トイレの花のしつらえにも日本的な心遣いを感じることができ、もてなしていただく私も日本人として恥ずかしくないようにと、背筋を伸ばす思いでした。
杉原千畝氏との関係性で、親密さを感じていましたが、多神教の自然崇拝の民族であることを知り、よりいっそうの思いが深くなりました。

リトアニア大使夫人から直接レクチャーを受けられるという稀な機会を得られた事に、心から感謝し感激しております。
改めて開催にご尽力されているIACのスタッフの皆さまに、お礼申し上げます。
(川口麻紀さん)

日本の中のリトアニアを楽しんでいただけ嬉しいです。
ありがとうございました!

大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館
大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」


2016年10月25日(火)、今年最後の「大使館でお茶を」はバルト3国の1国、リトアニア共和国大使館で行われました。第11回目となりました。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」両国の旗を飾って。

リトアニア共和国と言えば、ナチス・ドイツの迫害を逃れてきた多くのユダヤ人にビザを発給した杉原千畝氏が有名です。
氏のポスターが大使館のなかにも貼られており、今でもリトアニアと日本の友好のシンボルです。嬉しいですね。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」杉原千畝のポスター
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」杉原千畝のポスター

麻布十番から少し歩き、閑静な住宅街に入るとリトアニア共和国大使館があります。

ガリナ・メイルーニエネ(Galina・meiluniene)さん。
ガリナ・メイルーニエネ(Galina Meiluniene)さん。

本日のホスト、そしてプレゼンしてくださるのはリトアニア共和国大使夫人のガリナ・メイルーニエネ(Galina Meiluniene)さん。
やさしい笑顔の素敵な女性です。日本文化に関心が高く各地のお祭りなども訪ねていらっしゃるそうです。
館内にはさりげなく紅葉の飾り付けなどされており、そのおもてなしの心配りに感激しました!

まずはレセプションルームにて、IACより挨拶、参加者の方々の自己紹介に続き、ガリナさんのお国紹介が始まりました。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」スタートです。
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」スタートです。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」参加者自己紹介。
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」参加者自己紹介。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」ガリナさんによるお国プレゼン。
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」ガリナさんによるお国プレゼン。

リトアニアは1991年に旧ソ連から独立を果たしましたが、中世にはリトアニア大公国として栄えた歴史の古い国です。
また、多くの湖が点在する自然豊かな国で、ガリナさんも子供の頃から自然と親しみ育ったとの事。
日本と同じような神道的な考え方があり、色々なものに生命が宿っていて、日本でいう妖怪のような存在もあるとのこと。
また琥珀がたくさん取れるとのことで、5時間かけて淹れる琥珀のお茶というものもあるのだそう。どんな味なのでしょうね。一度味わってみたい!

お国紹介のあとは軽食を囲んでの懇親タイムです。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」お待ちかねの懇親タイム。皆さん興味津々です。
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」お待ちかねの懇親タイム。皆さん興味津々です。

リトアニアのミックスハーブティーに赤ワイン。
リトアニアのミックスハーブティーに赤ワイン。
リトアニアの伝統的なセイボリー、キビナイ。
リトアニアの伝統的なセイボリー、キビナイ。
ビーツと白インゲン豆のサラダ。
ビーツと白インゲン豆のサラダ。
クリスマスイブのお菓子、ツィスター(ザガレリアイ)。
クリスマスイブのお菓子、ツィスター(ザガレリアイ)。

リトアニアのミックスハーブティーに、リトアニアの伝統的なペーストリーであるキビナイ、そしてビーツと白インゲン豆のサラダ。紅がキレイです。
デザートはツィスターという粉糖のかかった揚げ菓子で、これはクリスマスイブに頂く特別なお菓子だそうです。
どれも素朴で美味しいものでした。皆さんリトアニアの味を楽しみながら、思い思いに歓談されていました。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」歓談タイム。
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」歓談タイム。
お茶目なガリナさん!
お茶目なガリナさん!

歓談が一息ついた頃に、今日のホストであるガリナさんにIACからプレゼントをさせて頂きました。

加賀水引きの説明を。
加賀水引きの説明を。
加賀水引きの祝袋。
ガリナさんの好きな漢字を入れました。

加賀水引きの祝い袋です。
前もってガリナさんのお好きな漢字をお伺いしていました。ファミリーを何より大切にしているガリナさんの思いが伝わりますね。

短い時間でしたが、リトアニアに対する知識が深まり、またもや行きたい国が増えてしまいました。
ガリナさん、心のこもったおもてなしをありがとうございました。今回も楽しい時間を過ごせました。

「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」
「大使館でお茶を第11回リトアニア共和国大使館」

次回は1月末、クロアチア大使館でお会いしましょう。。

写真撮影者: 藤倉明治(写真家、日本写真家協会)