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昼下がりの領事 Vol.3 「運河と帽子とゲイシャの国!?」 在神戸パナマ総領事館

(㊟本投稿は2018年掲載記事をリニューアルしたものです。)

神戸にはかつて多くの領事館が存在していました。1990年代、業務の効率化や阪神・淡路大震災の影響で多くが大阪に移転。在神戸パナマ総領事館は今でも神戸に残る数少ない領事館の一つです。

 

■大西洋と太平洋が同時に見える国

神戸開港時代の雰囲気を多く残す神戸市の旧居留地。今でも現役のレトロな建物が並んでいます。そんな一角に位置する在神戸パナマ総領事館。建物こそは新しくなってしまいましたが、看板は歴史を感じさせます。

 

受付を通り総領事の部屋に通されてすぐに目に入ってきたのは美しい大きな船の模型!

「これは我が国を象徴するものです。世界の船の17%がパナマ船籍ですからね。船籍の数としては世界一です」

その声はラファエル・アパリシオ (Rafael Aparicio) 総領事!

関西領事団の団長でもいらっしゃいます。にもかかわらずとてもフレンドリーで気さくな方という印象です。

そうなのですか。パナマの船籍の船はそんなに多い・・!そういえばパナマはパナマ運河が有名ですね!

「はい。パナマ運河を通って各国の船が太平洋とカリブ海を行き来します。あまり皆さん気付いていませんが、実はパナマは太平洋と大西洋に挟まれています」

あ、そうか!日本からみると大西洋はすごく離れているようなイメージがありますが、パナマの西は太平洋で東はカリブ海。カリブ海は大西洋の一部ですものね。

「そうなのです。晴れた日に山に登ると一度に太平洋と大西洋を見ることができます。また大西洋から太平洋まで車で一時間ですから、朝、大西洋の日の出を見た後、その日の夕方には太平洋で日没を見ることだってできるのですよ」

 

 

■パナマのゲイシャ

海に面しているということは、パナマの人は日本人のように魚を沢山食べたりするのですか?

「もちろん食べますね。セビーチェという魚をビネガーであえたもの。ビールのおともに、クラッカーと一緒に食べますね」

おいしそうですね。聞いているだけでよだれが出てきそうです。

「プランテーンやサンコーチェ(チキンスープ)も人気があります。他の南米の国と同じようにエンパナーダやトルティーヤも食べます。南米には辛いものが多いという印象が強いようなのですが、実はそんなに辛くないんですよ」

最近はパナマのコーヒーも注目されていますね。日本でも飲める店が増えてきました。

「ゲイシャというコーヒーのことですね。100g あたり2千円と最高級コーヒー豆です。値段は張りますが、味はお墨付きです。日本ではこのゲイシャという名前が覚えやすくてよかったと思っています」

うーん確かに。それにしてもゲイシャが高いというのは日本とパナマ共通の事実のようですね。

 

ラファエル・アパリシオ総領事

 

■神戸で活動を続けるということ

パナマ総領事館のある通りにはかつてたくさんの領事館があったそうですが、多くが大阪へ移転してしまったそうですね。現在神戸にある総領事館はパナマと韓国の2ヶ国だけ。パナマ総領事館が今でも神戸で活動する理由は?

「本館の一番大事なミッションは船籍登記。パナマ船籍のオーナーの多くが関西をはじめ、九州、四国等西日本にいらっしゃいます。それに神戸港は世界で最も重要な港の一つ。多くのパナマ船籍が神戸港に入港します。そんな船の管理のためにも神戸にいることが大切なのです」

パナマと神戸はとても関わりが強かったのですね。そういえば神戸にはパナマ船籍の船を管理するパナマサービスという会社があります。

「パナマサービスの初代社長は、実はパナマの名誉領事でした。そんなところからもパナマと神戸の関係が深いことが分かります」

神戸にはパナマ帽を扱う店もありますね。

「パナマ帽は実はエクアドル産であることをご存知ですか」

いえ、知りませんでした。・・なぜエクアドル帽って呼ばないのでしょう?

「パナマ帽はもともと17~8世紀にエクアドルで誕生した帽子です。19世紀にカリフォルニアの金を求めて旅する人々がパナマを通過するときにその帽子を購入するようになり『パナマ帽』と呼ばれるようになりました。1904年にアメリカのT.ルーズベルト大統領がパナマ運河を視察した際にこの帽子を被っていたこともあり、その呼び名がさらに広がりましたね」

大統領の被っていたということは、パナマ帽はセレブファッションだったのでしょうか?いやっ、そもそもパナマ帽ってとってもオシャレですよね!食べ物もおいしくておしゃれな帽子があって。なんだか今すぐにでもパナマに行きたくなりました。

「大自然が豊富なところですね。パナマ市のパナマ・ビエホ歴史地区と3つの国立公園は世界遺産に指定されています。国立公園では1000種を超える鳥類が見られます。マリンスポーツやホエールウォッチングも人気です。老若男女、すべて方が楽しめる国といえるのではないでしょうか。ラーメンやすしなどの日本食もパナマでブームになっていますから、食べるものにも困りませんよ。皆さんぜひパナマに遊びに来てください」

 

パナマの民芸品、モラ刺繍など

 

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レポート:IAC会員 古賀玲子(Koga Reiko):
米TV局に勤務後、外資系保険会社の社内通訳に転身。現在はコーディネーターをしながらフリーで通訳・翻訳業を続けている。海外の文化・踊りに関心が強く、特にアルゼンチンタンゴは現地の選手権に出るほど一時ハマっていた。